こんにちは、RINT(@2ndRint)です。
2020年4月10日に発売されたPS4「ファイナルファンタジーVII リメイク(FINAL FANTASY VII REMAKE)(FF7R)」のレビューを行っていきます。
ストーリーをクリアし、サブクエストなど一通りこなした状態(プレイ時間は35時間程度)でのレビューになります。
Playstationでオリジナル版が発売されて23年が経ち、遂にリメイク。本作は分割販売の第一弾として、オリジナルの序盤に該当する「ミッドガル脱出」までのストーリーが描かれています。オリジナル版ではわずか数時間で終わる内容を、ストーリーやサブクエスト、ミニゲームなど様々なコンテンツを膨大なボリュームで追加することで、内容不足をまったく感じさせないものに仕上がっています。
オリジナル発売当時も先鋭的で印象的だったグラフィックは大幅に進化。キャラクターのモデリングや表情、モーションだけでなく、背景やマップまで当時のローポリゴンからリアリティのあるものに大きく変わりました。現代技術で蘇った本作はオリジナル版のプレーヤーにはこれだけでも感動モノだと思います。
戦闘システムもアクションRPGに変更となり、大きく変更したように見えて、モードや難易度の設定により、オリジナルのイメージを損なわないように細かな配慮が見えました。
すべてにおいて様々な見直しとクオリティを向上することで、オリジナル版をプレイしていても全く新しい体験をもたらしてくれる内容に仕上がっていました。
発売日 | 2020年4月10日 |
対応機種 | PlayStation4 |
ジャンル | RPG |
発売元 | スクウェア・エニックス |
開発元 | スクウェア・エニックス |
公式サイト | 公式HPリンク |
プレイ時間 | クリアまで35時間 |
目次
原作序盤を改めて見直したストーリー展開
今作は原作では序盤の山場にあたる「ミッドガル脱出」までを描くストーリーとなっていますが、オリジナルではわずかのイベントシーンのカットでも会話の追加、それに伴うモーションやボイス、感情表現の追加により、シネマティックかつ、イベントシーンの重みは増し、オリジナルのプレーヤーでも新しい発見を得られるようになっていました。
新規イベントやサブクエストが大量に追加され、ストーリーの肉付けにより、何気なかったシーンも深堀りされることで、飽きるどこか辞め時を失うくらい気になる展開の連続でした。クリアまでの没入感はここ最近のRPGでも随一だったと思えます。
特に最後のチャプターからエンディングにかけては新要素「フィーラー」を据えることで、「リメイク」というタイトルについて、疑問を感じさせる展開に持っていったことはさすがだな、と思えました。
ネタバレ回避のため、詳しくは述べませんが、クリアした方とは滅茶苦茶語りたいと思える内容です。一筋ではいかない、さすが待った甲斐があったなと。先日発売されたアルティマニアに野村哲也氏や北瀬佳範氏のインタビューやシークレット項目の「新たなに生まれた謎」でも言及されているので是非、読んでもらえればと思います 分作ということで迷っている方は、続きを待つ楽しみがある今だからこそという部分もあると思うので、是非このタイミングでプレイしてもらえたらと思います。
アクション性が追加された新たなバトルシステム
アクションに関しては、前述でも触れましたが、本作のバトルシステムは、移動や通常攻撃、回避などをアクションで行い、魔法やアイテム、アビリティはコマンドで行うものになっています。
他のアクションRPGなどよりも、ストーリーが進むに連れ、通常攻撃のゴリ押しできる局面が減り、コマンド使用のためのATBゲージをいかに貯め、立ち回るためにアクションが必要になってきます。アビリティや魔法の重要度が高く、状況に応じてキャラクターを変更して対処していくため、戦闘が単調にならず楽しいです。
リアルタイムバトルのため、スピーディーな操作が求められ、煩雑になってしまうこともありますが、ショートカットの設定次第で、スムーズに進められる仕組みはgood。これらが苦手な人のためにコマンド操作に集中できる「クラシックモード」も用意されているので、手が届いている印象。
また、バーストゲージや敵の弱点を突いて打開していくスタイルは、今までのFFシリーズの良いところをうまく取り入れていると感じました。アビリティの「みやぶる」はその点で非常に重要となります。
特にボス戦は長期戦になることがほとんどで、バトル途中からイベントムービーが入り、戦法を変えていく局面が多々あります。バトル中のイベントシーンはシネマティックでいちいちカッコよく、テンションが上がりますが、リトライすることになると戦闘時間の長さが相まって、ややきついところもあります。
それと難点としては、慣れないうちは「SUMMONゲージ」や「LIMITゲージ」などゲージがとにかく多く画面に詰め込まれていて、情報の分かりづらさは否めませんでした。
また、カメラワークは操作キャラにどうしてもフューチャーされるため、周りの状況が分からないということがしばしばあります。また、人によってはカメラ酔いもあるかと思います。オプション設定で「カメラ距離」を大きく取ることで多少緩和されるとは思いますが、アップデートに期待したいですね。
圧倒的なグラフィックで描かれる「ミッドガル」の世界
最初に述べたグラフィックに関しては、やはり本作を語る上でも一番を占めるものとなるでしょう。キャラクターのモデリングや表情、モーション、ボイスはキャラクターたちをより“生きたもの”に感じ、時に見惚れることも多々あります。数年前に映像作品として見た「ファイナルファンタジーVIIアドベントチルドレン」や「クライシスコア ファイナルファンタジーVII」のムービーシーンを超えるグラフィックでゲームとしてプレイできる感動は特筆すべきものがあります。
また、本作の舞台となる「ミッドガル」のスケール感はすさまじいの一言で、スラム街から細かな道に至るまで細部まで書き込まれていて、当時の一枚絵の背景から自分で任意にカメラを回して探索できるようになりました。ひとつの都市を舞台にしていますが、マップのバリエーションは多岐にわたり、プレートを通して上層部の街とスラム街の対比は街の表現や光の当たり具合なども相まって、当時のシナリオ内のセリフに説得力を持たせ、プレイヤーに実感をもたせることに成功していると思います。
街の作り込みに関しては「龍が如く」シリーズを彷彿としますが、中盤に立ち寄る「ウォールマーケット」の街並みはFF7ならではのSF感が存分に発揮され、唯一無二の表現となっているので、是非プレイして確かめてほしいです。
また、シナリオの終盤にあたる「神羅ビル」はフロア毎の作り込みが素晴らしく、シリーズ作との関連を匂わせるシーンをさりげなく含ませたりと、ここも注目ポイントだと思います。(逆にこのボリュームが大きくて蛇足に思えなくもありませんが)
また、ストーリーやサブクエストの進行状況によっては、NPCのセリフもその都度変わり、生活感やクラウドたちに対する期待感などが伝わり、生きている街という実感を得ることができます。オプションで「トークログを表示する」とボイスだけでなく、文章でも伝わるのでこれは設定しておいた方がいいかと思います。
CD7枚にも及ぶ大ボリュームの楽曲と良アレンジの数々は必聴
本作はリメイクということもあり、アレンジが必然と多くなっていますが、イベントシーンが大幅刷新されたことにより、専用曲も大きく増えています。また、ゲーム内のジュークボックスでは「ゴールドソーサー」など、本作未登場のシーンでの楽曲も聞くことができるなどのファンサービスもあります。
新規楽曲はイベントシーンを上手く象徴しているのが多く、印象付けに成功していると感じました。アレンジに関しては、オリジナルでも随一の名曲「更に闘う者達」がいくつかのシーンに合わせて、それぞれ新曲として採用されています。曲名も「ハンドレッドガンナー」など、ボス戦を象徴する曲名になっていて、よりそのシーンに合わせた曲風になっているため、没入感が増してイベントの印象が色濃くなったように感じました。オリジナル版を知っている方にも是非、聞いてほしいですね。
また、サウンドトラックCDは過去最大級のCD7枚組(限定版はジュークボックスで聞ける曲のボーナストラック集がさらに1枚あり)となっており、使用楽曲がいかに多いかが窺えます。今回、アレンジは複数のコンポーザーの方が携わっているようで、オクトパストラベラーの西木康智氏も関わってらっしゃるようです。それ以外の方の詳細も気になるところです。
【総評】再構成されたストーリーと圧倒的なグラフィックによるスケール感はすべてのゲームユーザーにプレイしてもらいたい
クリア時点での総評としては、オリジナル版のプレイ有無に関わらず、今のゲームユーザーすべてにプレイしてもらいたい一本だと感じました。23年前にオリジナルのFF7をプレイして驚いたように。現代の技術をこれでもかと詰め込んだエンターテイメント作品だと思います。
ゲーム性の高さはそこまで感じられないところはありますが、惹き込まれるグラフィックとそこから織りなされるストーリーと色づけるBGMは是非、手にとって体験してほしいと思える内容です。
オリジナル版をプレイした方にとっては、ここまで待った甲斐はあったと思える内容だと思います。分作であることは気にせず、リメイクされたFF7とミッドガルを是非体験してほしいです。また、次回作を待つワクワク感を持てるのも今だけなので、あれこれ考察したり、期待しながら待ってみてもいいんじゃないかと思います。
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