【クリア後レビュー】『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』(聖剣伝説3ToM)<感想・評価>フルリメイクの一つのあり方!懐かしくも新しい『聖剣伝説』【PS4/Switch】

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こんにちは、RINT(@2ndRint)です。

この記事では、2020年4月24日発売のPS4/Switch『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』のレビューを行っていきます。

スーパーファミコンで発売された「聖剣伝説3」を初の3Dフルリメイクした作品なので、期待していた方も多いのではないでしょうか。

個人的に思い入れも強い作品ではあるのですが、体験版の出来が思っていた以上に好印象だったので、製品版を購入、ストーリーと追加要素をクリアした段階でのレビューになります。

はじめに

画像は聖剣伝説コレクション公式HPより

「聖剣伝説3」は約25年前にスーパーファミコン用ソフトとして、当時のスクウェア(元スクウェア・エニックス)から発売された、スーファミ黄金期を語る上では欠かせないタイトルの一本です。

オリジナル版はSFC最高水準のグラフィックで、ドット絵で細かく書き込まれたキャラクターが、所狭く動き回りアニメーションし、派手な技や魔法のエフェクトも相まって、操作することがとにかく楽しかった記憶が今でもあります。またマルチエンディングとマルチプレイの採用により、何周もまた何度も気軽に遊べる内容になっていました。

今作『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』(以降、聖剣3ToMと表記)は、過去シリーズもリメイクが発売され、それぞれ課題がある中での発売となり、期待と不安の声がそれぞれ多く見受けられましたが、

結論としては、原作を忠実かつ丁寧に現代の技術で復刻した素晴らしいリメイクといえる内容でした。

先日発売された『ファイナルファンタジー7 リメイク』(FF7R)は大幅に手を加え、全く新しい作品として昇華したといえるので、聖剣3ToMとは対象的なリメイクと言えるでしょう。その分、聖剣3は原作プレイヤーの評価が非常に高くなっていると思います。

発売日2020年4月24日
対応機種PlayStation4/Nintendo Switch/Steam
ジャンルRPG
発売元スクウェア・エニックス
開発元xeen/スクウェア・エニックス
公式サイト公式HPリンク
プレイ時間本編後の追加要素クリアまで約20時間
製品スペック

生まれ変わったグラフィックは新鮮かつ、懐かしさも感じるものへアップデート。

画像は聖剣伝説2Secret of Mana」公式HPより

前作のリメイク『聖剣伝説2 SECRET of MANA 』では、2Dの感触を残して、グラフィックの3D化やキャラボイスを追加することで、現行機でシリーズらしさを出そうとしていましたが、あまり良い評価を得たとは言えませんでした。

今作は、フィールドまで完全3D化。マップの入り組み具合も原作を忠実に3D化していることが窺えました。視点移動も昨今のRPGライクに。キャラクターはアニメ調になり、表情も豊かでより魅力的になりました。

ボイスを含め、表現が強化されたことで大味だったストーリーもやや深堀りされましたが、それでも原作のままな部分が多く、イベント中でも唐突な動きになるシーンも見受けられました。余談ですが、アイテムショップ店員の動きも3D化され、奇妙さが増しているので、初見の方には意味不明でしょうね。

また、アピールポイントとして、追加要素のキャラクター毎のクラス4の衣装や技、新たなボスキャラクターが追加されていて、どれもイメージを壊すことなくアップデートされていて、オリジナル版プレイヤーには嬉しい要素でした。追加ダンジョンに関してはネタバレになるので控えますが、ちょっと冗長すぎるかなと思いました。

近年のRPGと比べるとグラフィックが秀でているとは言い辛いですが、原作のイメージを損なわず、キャラクターやマップを再現できていると思います。キャラデザインは以前のままなので、古臭さは拭えませんが、原作のイメージを大事にアップデートしている感じが窺え、このグラフィックこそが、懐かしさを感じ取れる理由のように思えます。

3Dアクションに生まれ変わったバトルシステム

戦闘は2Dから3Dアクションに変更。弱攻撃、強攻撃、回避、必殺技にジャンプを交えたアクション。最近の3Dアクションと同じようなオーソドックスなものになりました。これだけでも原作とは全然別物ですね。

アクションゲームとして見ると、かなり大味で、基本的に同じアクションの繰り返しになってしまうことやガードがなかったり、ロックオンが不便だったりするのが目立ちました。また、アーマー持ちの敵など、いくつかのタイプの敵への対処はストレスを感じる場面もありました。

それでも飽きずに進めることができたのは、ひとつはストーリーを進める中で、主人公たちが何度かクラスチェンジを行うのですが、それに合わせて必殺技やコンボ攻撃の派生の追加でアクションに爽快感が増すことが挙げられます。

また、シリーズの戦闘で一番の特徴と言えるリングコマンドによる操作で、使えるアビリティのバリエーションが増えるため、戦況に合わせてよりタクティカルに戦闘を行えるようになる点もポイント。AIで味方への指示も細かく設定できるため、職業やキャラクターの組み合わせで大きくプレイフィールが変わってくるのは良かったと思います。

さらに要所要所のボス戦では、そのシーンに合わせたギミックを駆使することで、スムーズにバトルを進めることができるなど、強力な敵とも手応えのあるバトルが楽しめるなどの工夫が見えました。

全体を通して、レベル上げを意識しなくてもサクサクレベルが上がって、テンポよく進めるので、シンプルな戦闘システムながら飽きることなくプレイできた要因に思えました。

元々の原作もかなり大味な戦闘システムだったので、システムや見た目は変われど、大本の部分はブレずに今風のプレイフィールに対応できるように丁寧にパワーアップした印象は強く感じました。

BGMは良アレンジ。オリジナルに変更可能なのもGood。

全体的に原作のアコースティック感を踏襲しつつ、スケールアップした楽曲の数々は素晴らしいの一言です。

オープニング曲「Where Angel Fear to Tread」やプロローグ曲「Meridian Child」はサウンドトラックのHPでも視聴ができるので、是非。

これらを聞くだけで当時プレイした思い出が呼び起こされます。オプション画面でオリジナル版といつでも切り替えられるので、シーン毎に聴き比べてみるのも楽しみ方のひとつだと思います。

原作のサントラもサブスクで配信されています。

総評:原作プレイ組は是非オススメ。新規ユーザーにはやや物足りないかも。

いくつかの視点で見てきましたが、これらはどれも原作プレイしたことがある方々へのメリットなので、

原作をプレイした方には強くオススメできます。

が、新しくプレイされる方にはアピールポイントは弱いと言わざるを得ないと思います。丁寧なリメイクなので、原作をとても大事にしてある一方で、デメリットにもなり得ています。

キャラクターやゲームデザインなどは古臭く感じるでしょうし、ストーリー展開も急で説明不足に感じる点も多々あると思います。その点は覚悟しておいた方がいいかな、と。これでも、移動中などにメンバー同士の会話が増えたりして、ストーリー主軸の深堀りはされています。

『聖剣伝説』のリメイクとしては、大多数の方が待ち望んだ形になってきていると思える内容でしたので、SFC版に熱狂した人は是非、遊んでもらいたいですし、新しく興味を持たれた方は古き良き「聖剣伝説」の世界に触れてもらえたら、と思います。

RINT

RINT

サラリーマン兼Webライター

複合店で10余年、家庭用ゲーム・ホビー・CDなどの担当、バイヤーを経験、現在はサラリーマンの傍ら、Webライターとしても活動しています。

このブログでは前職の経験を活かし?、ゲームやホビー・ガジェット、サントラなどの紹介・レビューやWebライターとしての活動記録や役立つツールの紹介を行っています。
最近はNFT、BCGに注目しており、P2Eの活動も紹介予定。

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